捻挫

捻挫とは

<病態>

 関節を構成する軟骨(関節軟骨や関節唇、半月板)、周辺の靭帯や関節包などに対して捻りや衝突などの外力が加わって受傷し、レントゲン検査によって骨折や脱臼を伴わないケガです。

<症状>

 主な症状は、患部の痛みと腫れです。

 また受傷の程度にもよりますが、皮下や関節内での出血、熱感、関節の不安定性が見られます。

<診断>

 正確な診断の為には、受傷した時の状況を詳しく聞き取る事が重要になります。

 ・関節に対して、直接的 or 間接的に外力が加わったのか

 ・関節が、どのような方向に曲がったり伸びたりして動いたのか

 他にも情報が多ければ参考になります。

 また押さえたり圧迫したりする事で、どこの靭帯を痛めているのか、水腫があるのかどうかなどの判断をします。

 特に関節の内部の検査には、MRI検査が重要になります。

 

<治療>

 受傷直後は、応急処置として、PRICES(プライシス)処置と言われる6つが、また簡素化されたRICE(ライス)処置の4つがあります。

 この処置が早ければ早いほど、回復が早い傾向にあります。

 

1.保護

(Protect)

 二次的ケガの発生を防ぐ為に安全な場所を確保して、ケガをした人やケガをした部位を周囲から守る事が目的です。

 

2.安静

(Rest)

 受傷直後は、速やかに患部を保護して安静にします。患部を刺激したり、動かしてしまうと、損傷部の出血や腫れが悪化するだけでなく、回復するのに時間がかかってしまう場合があります。

 

3.冷やす

(Ice)

 氷水やコールドパック(保冷材)などで15分くらい冷やして、1~2時間のインターバルを挟んで、また冷やすと言う事を繰り返します。

 熱感が続くようなら2~3日間続ける場合もあります。

 患部を冷やす事で、痛みの神経をマヒさせて、脳への痛みの伝達や筋スパズムを抑えたり、血管を収縮させて血液の流れや出血を一時的に抑え、腫れを予防したり、発痛物質の分泌を抑えます。

 

4.圧迫

(Compression)

 患部を包帯やテーピングで圧迫する事で、内出血を抑えて、その後の腫れを防ぎます。

 

5.挙上

(Evevation)

 患部を心臓よりも高くする事で、血液が心臓に戻りやすくしたり、手や足(四肢末端)に血液が貯まらないようにして、腫れや出血を最小限に抑えます。

 

6.安定/固定

(Stabilization/Support)

  患部を固定して、運動を制限する事で安定性を確保します。

 反対に、やってはいけない事は、入浴、飲酒などの血行を促進するような事になります。

 受傷した部位や程度により治療法は変わりますが、手術か保存療法があります。

 手術では、関節鏡(内視鏡)を用いるなどの小さな切開で行うものが多く、患部を大きく切り開く手術に比べて回復が早くなっています。

 保存療法では、ギプスやテーピング、三角巾などで患部を固定し、落ち着いて来た段階でリハビリテーションとして運動の訓練を始めます。

捻挫の例

 靭帯はバンドのようなもので、骨と骨を繋いだり関節の可動範囲を制限する役割があります。

 ストッパーの役割をしている靭帯が、その関節の可動範囲を超えた運動によって、完全断裂や部分断裂、伸びると言った損傷を受けてしまいます。

 半月板はクッションのようなもので、荷重を分散したり衝撃を吸収したりする役割があります。

 関節軟骨もクッションのようなもので、荷重を分散させたり、表面が非常にツルツルとして骨同士の摩擦を防いだりする役割があります。

 これらの損傷の程度が大きいと、関節の脱臼や動揺性に繋がったり痛みの為に、競技や日常生活に影響を及ぼす事になり、手術の適応になる場合もあります。

 受傷直後は、応急処置として、PRICES(プライシス)処置と言われる6つが、また簡素化されたRICE(ライス)処置の4つがあります。

 

1.足関節の捻挫

 足関節の捻挫は多くの場合、足首を内側に捻る事で起きる内反捻挫です。

 前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯の順で損傷しやすいです。

 

 

 

2.膝関節の捻挫

 膝関節捻挫は、十字靭帯損傷、側副靭帯損傷、半月板損傷などがあります。

 特に前十字靭帯断裂、内側側副靭帯断裂、内側半月板損傷が同時に起こる事を「不幸の三徴候(O'Donoghue unhappy triad)」と言い、膝の外側からの外力と膝の内旋の力で起こり、かなり重症の損傷となります。

 

 

 

3.頚椎捻挫

 頚椎捻挫は、交通事故や転倒、スポーツでのコンタクトプレーなどが原因で、首の関節や神経、筋肉、靭帯などを痛めてしまった状態でいわゆる「むちうち」と言われるものです。

 主な症状は、首の痛みや動かした時の痛み、上肢へのしびれ、頭痛やめまい、耳鳴り、吐き気などが見られます。

 

         

 

4.腰椎捻挫(ぎっくり腰)

 腰椎捻挫は、不自然な体勢で重いものを持ちあげたり、急に体勢を変えたりした瞬間に激痛が走り、重症な例では動けなくなる事があり、「ぎっくり腰」とも呼ばれています。

 また交通事故や何気なく前屈みになったりしただけでも起こる事さえあります。

 

         

 

捻挫の分類について

 捻挫の重症度は、軽症からⅠ度損傷、Ⅱ度損傷、Ⅲ度損傷と分類されます。

1.Ⅰ度損傷(軽症):数日から2週間程度

2.Ⅱ度損傷(中程度):2週間~1か月程度

3.Ⅲ度損傷(重症):1か月~3か月程度(程度によっては1年以上かかる場合もあります)

アキラ鍼灸接骨院での捻挫の施術について

 当院では、捻挫の施術について、まずは痛む部分の状態を調べます。

 どこが痛むのか、内出血はしているか、関節の不安定性はないかなどを細かく確認し、いつから痛むのか、どのような動作をして痛むようになったのかなどをお伺いさせていただきます。

 その後、その人に合った方法で施術し、捻挫の根本改善を目指します。

 捻挫は、湿布や痛み止めなどの一時的な痛みの緩和だけではよくならず、日が経つごとに悪化しているおそれがありますので、受賞直後は、応急処置として、PRICES(プライシス)処置と言われる6つを心掛けていただき、その後、当院までお気軽にご相談ください。

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